さて、今回は利根川です。

増水傾向の利根川
今回は利根川でフィールドテストを行ってきました。 当日の状況としては、前日に埼玉県方面でまとまった大雨が降った影響により、朝からかなりの増水傾向。8時から9時頃にかけて強いカレントが発生するコンディションでした。「これはかなり良い状況なのでは??」と期待が高まりましたが……。
水温は朝の時点で27℃、日中の13時半には29℃まで上昇。雨の影響でもう少し水温が下がっているかと予想していましたが、意外なほど高水温を維持しており、シャローにエビや小魚が目視できる状況も少なく、全体的に魚の反応は渋い一日となりました。
今回の釣行のメインテーマは、ズバリ「ハリネズミウイニングパターンの検証」です。
先日、JB TOP50において、江尻悠真選手が見事に優勝を飾りました。その原動力となったシークレットリグが、「ハリネズミ」に「ベイトフィネスジグ1.8g(ラバーをむしったラバーレス仕様)」を組み合わせ、中層を漂わせながら釣るというアプローチ。

この釣りの持つ本当の威力とメカニズムを解明すべく、ほぼ丸一日このリグを投げ倒して検証を行ってきました。
■ 軽さが生み出す「ホワホワ感」とスローフォール
私自身、この超軽量ともいえる1.8gベイトフィネスジグを使ったリグを真面目にやり込んだのは今回が初めてだったのですが、実際に使ってみて痛感したのは「軽めのヘッドを使うことが最大の肝である」という点です。
江尻選手もベイトフィネスジグの1.8〜3.5gヘッド(ラバーレス)を使用していましたが、特に水面直下を攻略する上で、この「1.8g」というウエイトセッティングこそが釣りを成立させる絶対的なキモだと確信しました。

すぐ釣れました
エラストマー素材特有の強い浮力を持つハリネズミに対し、あえてアンダー2gクラスの軽量ジグヘッドを合わせる。一見するとアンバランスにも思える組み合わせですが、これによって水中で絶妙なサスペンド〜超スローフォール状態が作り出されます。
キャスト後、軽くアクションを加えるとエビが「ピピッ」と水面直下を逃げ惑い、そこから自発的に手をボヨボヨと震わせながらホワホワとフォールしていく。重めのジグストのように素早くボトムやミドルレンジへ落とし込むのではなく、水面から水面直下の極めて浅いレンジでルアーを漂わせ続けることができるのです。この辺りはディスタイルさんの傑作「エビソン」と通ずる、極めてナチュラルな食わせのコンセプトだと感じます。
もしこれを野良ネズミベイビーや野良ネズミミニなどの小型サイズで行うと、ボディ自体の浮力が小さいため1.8gではフォールスピードが速すぎてしまいます。小型サイズで同等の浮遊感を出すなら0.9g前後のガード付きジグヘッドが必要になりますが、オリジナルサイズのハリネズミだからこそ、1.8gという適度なウエイトを背負わせても極上の浮遊感と自発アクションを完璧に両立できるわけです。
■ 圧倒的なスキッピング性能とカバー回避能力
使っていてもう一つ驚かされたのが、その圧倒的なスキッピング性能の高さです。

意外なほど小型のバスも食う
1.8gのヘッドを背負わせたハリネズミは、エラストマー特有の反発力と適度なウエイトバランスにより、野良ネズミマグナムに匹敵するほどのスキッピング性能を発揮します。1.8gのウエイトであってもハリネズミ本来の滑空性能が全く損なわれないため、オーバーハングの最奥や複雑なブッシュの隙間へガンガンねじ込んでいくことが可能です。
現在、マッディウォーター水系において、ジャッカルさんの「キングジミーヘンジ」やハイドアップさんの「コイケ17mm(モリケンリグ)」をはじめとする多毛系・エラストマールアーの威力は凄まじく、もはや外せない絶対的な定番メソッドとして確固たる地位を築いています。オープンウォーターでのサイトや護岸際、タテのストラクチャー周りにおいて、バスを狂わせる圧倒的な集魚力と食わせのパワーは誰もが認めるところです。
そうした超一級の実績を持つルアーたちに対し、この「ハリネズミ×ベイトフィネスジグ1.8g(ラバーレス)」が真価を発揮するのが、ズバリ「より複雑なヘビーカバー最奥へのアプローチ」という適材適所の棲み分けです。
ハリネズミのボディ形状とジグヘッドの組み合わせはフックポイントの収まりが非常に良く、枝が複雑に入り組んだブッシュやウッドカバーに対しても抜群のスナッグレス性能とすり抜け性能を誇ります。オープン〜セミオープンなシチュエーションで無類の強さを誇るジミーヘンジやコイケに対し、ハリネズミは「枝が密集した最奥へスキッピングでねじ込み、カバーの奥底でホワホワと漂わせる」という、よりヘビーカバーへ踏み込んだアプローチにおいて唯一無二のアドバンテージを発揮してくれます。
使っている感覚としては、まさに「野良ネズミやエビソンのようでもあり、コイケ17mmのようでもあり、イモのラバーチューンのようでもある」という、それぞれのルアーが持つ爆発的な食わせ要素と高いカバー攻略性能を併せ持った、新たな境地を開くルアーパワーを感じました。
■ アクション操作と「視認性の高いカラー」の必然性
この釣りの基本的なアクションは、カバーやブッシュ際にスキッピングで撃ち込み、まずはじっくりとフォールさせて自発的な手の動きで誘うこと。そして中層をジグストやミドストのようにロッドシェイクしながら引き、とにかく水面直下を「ホワホワと漂わせる」ことです。

色が重要!
そして、釣果を左右するもう一つの極めて重要な要素が「見える色を使うこと」です。
この釣りは、一般的なジグストとは異なり、あくまで水面〜水面直下の目視できるレンジで操作し続けます。視認性の高い派手なカラーを使うことで、アングラー側がルアーの正確な位置や泳ぎのピッチを完璧に把握できるだけでなく、カバーの奥から湧き出てきたバスがルアーを吸い込んだ瞬間を視覚的に捉えてフッキングへ持ち込むことができます。
マッディな水質であってもルアーの位置がはっきりと見えるからこそ、意図したレンジを正確にトレースでき、結果として確実なバイトへと繋げることができるのです。
■ 実釣での検証:反転流のブッシュから1300gを捕獲!
当日のハイライトとなったのは、夕刻にエントリーした下流エリアのブッシュ絡みのスポットでした。
本流のカレントが直接当たるアウトサイドを避け、適度に流れが遮られた「反転流側のブッシュ」に狙いを定めます。そこへハリネズミをスキッピングで低弾道で滑り込ませ、水面直下をミドスト気味にホワホワと泳がせてくると、ブッシュの奥から黒い影が猛スピードで突進。横から引ったくるような強烈なバイトとともにロッドが絞り込まれました。

慎重なやりとりの末にランディングしたのは、1300gのナイスフィッシュ!
全体的にはバイトが遠く、決してイージーとは言えない厳しい一日でしたが、最終的にハリネズミのベイトフィネスジグ(1.8gラバーレス)単体で3本をキャッチし、マックス1300gという結果で検証を締めくくることができました。
■ 霞水系・マッディレイクの新たなスタンダードになるか?!
今回の検証を通じて、江尻選手がビッグトーナメントで勝ち切った理由がなんとなく理解できました。
・1.8gという軽量ヘッドが生み出すホワホワとした極上の浮遊感とスローフォール
・野良ネズミマグナム並みのスキッピング性能と圧倒的なカバーすり抜け性能 ・水面直下の視覚的アプローチを可能にする高い視認性
これらが組み合わさることで、従来のルアーではバイトまで至らなかった「カバー奥」に浮くセレクティブなバスを狂わせることができます。「野良ネズミのような高速トップウォーターには出切らない」「かといって通常のワームのフォールや動きにはスレている」――そんな気難しい現代のバスにこそ、猛烈に効くアプローチです。
凄まじいポテンシャルを秘めたリグだと感じました。今後、霞ヶ浦水系や利根川をはじめ、各地のマッディレイクにおいて間違いなく大きな武器になるメソッドですので、ぜひ皆さんもフィールドで試してみてください!
★タックル★
【ハリネズミ 1.8gベイトフィネスジグ用】
ロッド:フェンウィック LINKS 610CMP+J
リール:アルファスエア 8.6L
ライン:バリバス アブソルート AAA 14lb.
ルアー:ハリネズミ(オリジナルサイズ)+ ベイトフィネスジグ 1.8g(ラバーを抜いたラバーレス仕様)
