【榛名湖】集魚板マグナムスプーンとワインドが拓く新境地

【榛名湖】集魚板マグナムスプーンとワインドが拓く新境地

さて今週は榛名湖情報です。

今回はルアーのアイデア出しと、来年発売を控えている「オーバーシュートSB」や「オーバーシュートスイムジグ」のテストです。

天候は終日どんよりとした曇り空で、パラパラと小雨が降ったり止んだりという空模様。

とにかく寒かったです。

気温はおそらく16~17℃くらいで推移していたのではないでしょうか?

下はハイドロマスタービブ、上もハイドロマスタージャケットを着込んでいたのですが、それでも寒くて夏が過ぎてから初めてインナーにダウンジャケットを引っ張り出しました。それくらいの急激な冷え込みです。

水温の方も21~22℃あたりまで一気に下がっていました。

湖全体を見回すと、ほぼ全域でターンオーバーが発生しています。水は全体的に濁りが入っており、これまであった水温躍層(サーモクライン)は完全に崩壊して消滅したか、かなり曖昧になっている印象でした。

天候が崩れたこともあってか、湖上のボート客はかなり少なめ。

ただ、プレッシャーが下がったことや急激な濁りが入ったことも手伝って、バス自体の反応は決して悪くありませんでした。

さて、今回の釣行はタックルやルアーのテストだけでなく、メンテナンスや新調した機材のフィールドテストも兼ねていました。

先日SEモジュールとブラシを交換したエレキの動作確認、それから以前使っていたバッテリーを買い替えた新バッテリーの動作チェック、引き直した魚探配線のチェックです。

エレキとバッテリー自体は非常に快調で問題なかったのですが……。

ここで痛恨のアクシデントが発生しました。

ライブスコープ(魚群探知機)が完全に故障・・・。

再起動などを試みても症状は改善せず、3つある振動子アレイの2つがうまく機能しなくなってしまいました。

さすがにライブスコープが使えないとなると、榛名湖でのディープのテストやルアーの水中挙動の観察、アイデア出しはほぼ成立しませんネ。

今ここで魚探がない状態が続くのは現在の開発スケジュールにとって致命傷になります。そのため、湖上から即座に新しいライブスコープを手配・新規購入しましたw

到着するまではディープの精密なテストがお預けになってしまうのが痛いところです。頭の痛い出費となりました……。

そんな機材トラブルで時間を大幅にロスし、画面がほぼ見えないというハンデを背負った状態での釣りとなりましたが、結果から言えばバスは4本キャッチすることができました。

内訳は「ダズリングフラッシャー」で3本、「ダートパニック60」で1本です。

アクシデントの中でこの釣果であれば、まずまず及第点だったのではないかと思います。

湖上で榛名湖ガイドの長井さんにお会いしてお話を伺ったのですが、長井さんは朝から10時までの短時間ですでに7本をキャッチされていました。

釣り方としては、水深10m前後のラインに落ちているワカサギについたバスに対し、ティムコの「ダートパニック45(3g)」やミドストを投入していく王道のライブサイトでした。さすがの展開です。

一方で、非常に興味深かったのが下船後の情報でした。

ライブスコープを搭載していない一般のアングラーの方が、水深2~3mのシャローラインをスピナーベイトで愚直に巻き続け、1日9本、最大52cmという猛烈なスコアを叩き出していたのです!

その方は先週全く釣れなかったそうですが、このターンオーバーとローライト、急激な冷え込みというタイミングで見事にハメていました。

この結果には、現代のバスフィッシングにおける非常に重要な縮図が現れていると感じます。

「ライブスコープを使えば無条件に釣れる」という時代はとうに終わり、沖のディープにいる魚は日々ライブスコープで狙われ続けて極度にスレ切っている。

その結果として、アングラーの視線が沖に集中するあまり、シャローの魚に対するプレッシャーが完全に手薄になるタイミングが存在するわけです。

そこへターンオーバーによる濁りが加わり、スピナーベイトの強い波動と視界の悪さがプラスに働いたのでしょう。

ディープの精密射撃だけでなく、フィールド全体のプレッシャーバランスを見極めることの重要性を改めて痛感させられる出来事でした。

さて、今回私が釣果を出したメインルアーについて解説しておきましょう。

まずは3本をキャッチした「ダズリングフラッシャー」です。

ここ最近はあまり使用できていなかったこともあり、しっかり現場で使ってそのポテンシャルを再確認する狙いがありました。

ダズリングフラッシャーは、いわゆるマグナムスプーンに分類されるルアーですが、私が提唱しているのは一般的なマグナムスプーンの釣りとは根本的に異なるシステムです。

具体的には、巨大なスプーンボディを「集魚板(アトラクター)」として機能させ、スプーンの後方に5~10cmほどのリーダーを介して小型ワームをセットします。

スプーンの強烈なフラッシングと水押しで広範囲からバスを引き寄せ、スプーンそのものではなく、その直後を追従する無防備なワームにバイトさせるというバイトマーカー理論です。

さらに今回は、スプーンのヘッド(頭)側にも遊動式でワームを1つ追加し、「集魚板1枚+ワーム2本」という変則セッティングを試しました。

このルアーを開発した当初はその破壊力たるや凄まじいものがあり、どこへ投げても釣れるような爆発力がありました。

しかし年々沖の魚がプレッシャーに晒され、魚が賢くなった現代では、ただ適当に投入してもバイトには至りません。

濁りやローライト、ベイトの群れの入り方など、効果的なタイミングを的確に捉える必要があります。今回はそのタイミングが合致したと言えます。

ところで、アメリカでマグナムスプーンと言えば「ベン・パーカー」のルアーが世界的にも有名です。

ベン・パーカーのスプーンは非常によく作り込まれており、キャスティングで遠投し、ボトムからのワン・ツーアクションによる「フォール」で食わせることを前提としています。肉厚で自重があるため飛行姿勢が安定し、回収時にも無駄に回転しません。

しかし、これは「ライブスコープが登場する以前の世界」で作られたコンセプトです。

対して、スタッフ藤原氏監修のダズリングフラッシャーは、最初から「ライブスコープで魚とルアーを見ながらバーチカルに仕掛ける」ことを前提に設計しています。

ここにあえて大きな性能差を設けました。

まず、ダズリングフラッシャーには非常に薄い真鍮板を採用しています。そのため、ベン・パーカーのスプーンと比較すると15g以上も軽くなっています。

自重が軽いためキャスティングでの飛距離は出ませんし、回収時にはヒラヒラと回転してしまいます。

しかし、この「回収時に回転する」という特性こそが最大のキモなのです。

薄く軽いボディだからこそ、水中に落とした瞬間から急激にフラッタリングを起こし、不規則かつ艶めかしくスローにフォールします。

そして何より、ロッドを鋭くしゃくり上げた際、薄い真鍮板が水を受けて鋭角にダート&スピンします。

ベン・パーカーが「フォールで食わせるスプーン」であるのに対し、ダズリングフラッシャーは「フォールはもちろん、しゃくり上げ(リフト)のアクションでも狂わせて食わせるスプーン」として作ってあるのです。

アメリカにも当然マグナムスプーンは存在しますが、「スプーンを集魚板として扱い、リーダーの先のワームを食わせる」というシステム提案は現地にはありません。

さて、水中の生態観察についても触れておきましょう。

現在の榛名湖は、とにかくワカサギの絶対量が豊富です。

水深2~4mのウィードエリアから8mラインにかけて濃密な群れが形成されていますが、10mより深いレンジにはほとんど入っていません。バスの生息域も10mラインが限界で、12mまで落ちると魚影は消えます。

群れを観察すると、今年生まれた極小の当歳魚(0年魚)から、少し成長した1年魚、さらには2年魚・3年魚と思われる見事な大型ワカサギまでが混在していました。

今回キャッチした4本のバスに対し、恒例のストマック調査(胃内容物の確認)を実施しました。

結果は極めて明快でした。

4本すべての胃袋からワカサギが検出されたのですが、そのすべてが「小型のワカサギ」だったのです。

あれだけ大型のワカサギが周囲に泳いでいるにもかかわらず、バスは明確に小型の個体を選別して捕食していました。

一般的には「大きなエサを捕食した方が摂取エネルギーが大きく効率が良い」と語られがちですが、フィールドの実態を見ていると私は必ずしもそうは思いません。

自然界の捕食行動における絶対原則は、「いかに少ないエネルギー消費で、確実に獲物を捕らえられるか」というエネルギー収支の効率化です。

サバンナのライオンやチーターが、屈強な大人のシマウマではなく、逃げ足の遅い子供や怪我をして弱った個体を執拗に狙うのと全く同じ論理です。

大型のワカサギは遊泳力が高く、捕食にかかる運動エネルギーと失敗のリスクが高くなります。

一方、遊泳力の未熟な小型ワカサギは、バスにとって極めてイージーかつ低燃費で捕食できるエサとなります。

ラージマウスバスにおいてはこの傾向が特に顕著で、群れの中にサイズ混在がある場合、あえて小さな個体に狙いを絞るシーンをこれまで何度も目撃してきました。

ルアーセレクトにおいてサイズ感をアジャストしていく上で、この「捕食のエネルギー効率」という視点は決して見落としてはならない要素です。

ちなみに、前回の釣行ではやたらとアタックしてきたヘラブナやコイが、今回は完全に沈黙していました。

あれだけルアーにアタックしてきたフナたちが、今回は一切口を使わなかった理由は正直なところ完全な謎です。ルアーの波動の差なのか、水質の急変で見切られたのか……自然のバイオリズムは一筋縄ではいきません。

今回の榛名湖は、急激な冷え込みとターンオーバー、魚探トラブルという厳しい条件下ではあったものの、シャローとディープの力関係、ストマックから見えた捕食の真実、そして自社ルアーが持つべきポテンシャルと世界展開への課題など、極めて実りの多い釣行となりました。

もっと現場に通い込んでデータを蓄積したいところですが、H-1GPX亀山ダム、そして今月末にはいよいよ「Basser Allstar Classic ワイルドカード(霞ヶ浦)」が控えています。

しばらくは亀山湖と霞ヶ浦水系へ集中せざるを得ないため、他フィールドのテストはお預けとなりますが、10月に入ったら再び榛名湖へ足を運び、秋の深まりとともに魚の動きを見極めたいと思います。

それではまた来週!

★タックル★

ロッド: フェンウィック ACES 610CMHP+J
リール: バンタムMGL XG
ライン: バリバス アブソルートAAA 25lb.
ルアー: ダズリングフラッシャー(集魚板仕様+リーダーワーム)

ロッド: フェンウィック ACES-CT 61SULP+Jスーパークリッタースティック
リール: エアリティLT2500S-XH-QD
ライン: エックスブレイド リアルデシテックス 0.4号+LDLフロロ1.75号
ルアー: ダートパニック60(ワインドセッティング)