「瀕死リグ」の真相〜名作が釣れ続ける理由とフックセレクトの極意〜

「瀕死リグ」の真相〜名作が釣れ続ける理由とフックセレクトの極意〜

さて、今回は群馬県・榛名湖でのプライベート釣行をもとに、秋のワカサギレイクにおける攻略法、そして私が長年溺愛し、今なお圧倒的な破壊力を誇る「スーパーリビングフィッシュ3インチ」の瀕死リグについて、その真相を深く掘り下げて解説していきたいと思います!

当日は夕方から娘の病院の付き添いがあったため、13時半までのショート釣行だったのですが、終わってみれば43〜44cm、1300〜1400gクラスのグッドコンディションばかりを揃えて計6本キャッチ。

もし1日中やり切っていれば、間違いなく二桁安打は余裕で達成できていたであろう素晴らしい釣行となりました。

秋の榛名湖でキャッチした1400gクラスのナイスフィッシュ

しかし、ただ投げて釣れたわけではありません。現在の榛名湖は「ワカサギの超豊漁」という天国のような状況でありながら、アングラー側には極めてシビアなエリア選択とルアーアジャスト能力が必要な、非常に難解なフィールドと化しています。

まず、現在のフィールドコンディションからお話ししましょう。当日の天候は終日ローライトな曇り空。朝夕の冷え込みが進んだことで水温は20℃ジャストまで低下し、湖全体に秋特有のターンオーバーのような濁りが若干入っている状態でした。

実は今年の榛名湖、ワカサギの魚影が凄まじいことになっています。去年の不漁から10倍どころか、体感としては「100倍」レベルでワカサギが湧いています。

一般的に、夏場に極端な猛暑が続かず水温が上がり切らなかった年は、ワカサギが夏を生き延びて豊漁になると言われていますが、まさに今年はその典型例と言えるでしょう。

繁茂するウィード

ちなみに余談ですが、同じ関東のワカサギレイクでも湖によって事情は大きく異なります。例えば相模湖や榛名湖は芦ノ湖などから卵を購入して人工孵化・放流を行っていますが、津久井湖は上流に遡上してきた親魚を捕獲して採卵・放流するシステムをとっています。

ところが今年の津久井湖は、春の産卵期に親魚から卵がほとんど採れず、現在ワカサギが壊滅状態に陥っているそうです(聞いた話ですが)。

榛名湖に話を戻しましょう。これだけワカサギが多くなると、「沖に出て中層の群れをライブスコープでシューティングすればボコボコなのでは?」と考えるのが普通のアングラーの思考法です。

私も朝イチ、まずは湖のど真ん中をスピナーベイトのライブサイト、ワインドなどでチェックしてみました。魚探には確かにワカサギの群れが映ります。しかし、驚くほどバスがいない。

ライブスコープが普及した昨今、沖の回遊バスは常にアングラーから集中砲火を浴びています。それが理由なのか?不明ですが、とにかく沖にバスがあまりいない。

スーパーリビングフィッシュ3

そこで私が目をつけたのが、ワカサギ船団の周囲と南側エリアのシャローでした。

湖上にはワカサギ釣りのボートが多数浮いており、釣り師が水面でポロリと落としたり、針から外れて弱ったワカサギが絶え間なく水中に供給されています。バスたちはそれを知っており「わざわざ元気なワカサギを必死にチェイスして捕食する必然性」が完全に失われている可能性があります。

南側エリアのシャローには水深5〜6mのボトムから水面直下2〜3mまで急成長した濃密なウィードエリアが広がっており、そのウィードのアウトサイドエッジから浅い側の上っ面に、大量のワカサギが表層まで分厚く盛り上がって溜まっていました。

さらに奥の禁漁ブイの内側では、バスがワカサギを水面へと追い詰めてボコボコとボイルを繰り返しています。その魚が時折、ウィードエッジの手前側へとエサを追って差してくる。

狙うべきは「ウィードエッジに絡む表層」であり、演出すべきは「逃げ惑う魚」ではなく「水面で元気がなくなったワカサギ」。この結論に達した瞬間、怒涛のバイトラッシュが幕を開けました。

このパターンにおいて、私が絶対的なコンフィデンスを持って投入したのが「スーパーリビングフィッシュ3インチ(カラー:VIVIDワカサギ)」の瀕死リグです。

スーパーリビングフィッシュ3インチの瀕死リグセッティング

一人のアングラーとしての視点から断言しますが、これは他社製品を完全に圧倒・出し抜く性能を秘めた「本物の傑作」です。なぜこれほどまでに釣れ続けるのか、今まであまり公に語ってこなかったコアな秘密を明かしましょう。

① 細すぎず太すぎない絶妙なボディボリューム
クリアウォーターの表層ゲームでは、バスにルアーを見切られないためのロングキャスト性能が絶対条件になります。PE0.3〜0.4号を使用したタックルで、プレッシャーをかけない遠距離から狙い通りのピンスポットへ運べる自重と空気抵抗のバランス。例えばヘアリーフライのようなルアーも素晴らしい食わせ能力を持っていますが、あれはよりピンスポットでマニアックに使うもの。広範囲をテンポよくサーチしつつ、圧倒的なプレゼンテーションを可能にする絶妙な肉厚感こそが、このワームの第一のメリットです。

② 空気の層がもたらす「消えるフラッシング」
スーパーリビングフィッシュのボディ内部には長方形の中空層が存在します。これが水面に浮かべた際、空気の層を抱え込みます。これが水面で揺れた瞬間、アルミプレートやグリマーのようなギラギラとした強い金属光沢とは一線を画す、極めてナチュラルな光を放ちます。「キラッと一瞬自発的に輝き、揺れが収まるとスッと水の中に溶け込むように消える」。この明滅効果こそが、セレクティブなバスの警戒心を完全に麻痺させる最大のキモなのです。

③ 初公開?ピンテール×フラットテールのハイブリッド構造
そして最も重要なシークレットが、テールの設計です。スーパーリビングフィッシュのテールは、ただのフラットテールでもピンテールでもありません。ピンテール状の丸い芯が存在し、薄い鰭のようなフラットマテリアルが繋がるハイブリッド構造になっています。

テールのハイブリッド構造(芯とフラットの組み合わせ)

この中央のピンテール部分が、人間の「背骨」のような役割を果たします。適度な硬さと反発力を持つ芯があることで、水面で波や風を受けた際、薄いフラット部分が水を受け流しながら艶めかしくヒレのようにしなる。

「骨があるからこそ生まれる、艶めかしいしなりと水押し」。水面に放置しているだけで、波の揺れに同調してまるで生きている魚のヒレのように微振動するこの自発的アクションは、唯一無二の性能です。

しかしどれほどルアーが優れていても、リグとフックのセッティングが破綻していれば魚を獲ることはできません。当日の朝、表層ゲームでは激しいバイトが出るものの、すっぽ抜けやミスバイトが多発しました。そこでフッキング率を向上させようと、トレブルフックを取り付けるチューンを試みたのです。

しかし、スーパーリビングフィッシュ3インチにトレブルフックを背負わせると、浮力が負けてルアーが沈んでしまう。浮力の高いヘアリーフライにトレブルフックをセットしてみると綺麗に浮きましたが、今度はバスがチェイスしてきてもフックの存在を嫌がって寸前で見切るようになってしまいました。また、トラファルガー5のようなハードプラグも同様に見切られます。

スレたフィールドにおいて、バスはフックの存在やラインの存在を驚くほど正確に認識しています。結果として、「ワーム本来のナチュラルさを活かしたシングルフック1本の瀕死リグ」こそが、最も深く吸い込ませるための唯一の正解だったと思われます。

がまかつ V2ヤマメ10号

ここで私が強く推奨したいのが、がまかつ「V2ヤマメ」10号です。

瀕死リグは、ワームの頭部にフックを一度通し刺しにして抜き、もう一度ボディに薄く刺す(縫い刺しにする)ことでワームのズレを防ぎます。このリグに合わせるフックとして、なぜ渓流用の「ヤマメ針」、それも「袖形状」なのか?

日本の伝統的な釣り針において、「袖型」は吸い込みやすさと初期掛かりの早さにおいて間違いなく最強の形状です。水面にベタッと浮いた力のない魚に対しても、触れただけでフックポイントが立ち、口元を捉えてくれます。しかし、一般的な袖針には致命的な弱点があります。形状的に外側に力が逃げやすく、バスのような大型魚を掛けると簡単に曲がったり折れたりしてしまうのです。

その弱点を克服したのが、がまかつの「V2シリーズ」です。V2マテリアルは驚異的な硬度を誇り、極細軸でありながら極めて折れにくく曲がりにくい。針先(ポイント)が鈍らず、常に新品同様の鋭利な貫通力を維持してくれます。

さらに自重が極めて軽量なため、ワームの浮力を一切殺さず、バスが水面で吸い込んだ瞬間に口の奥深くへと吸い込まれます。まさに表層瀕死リグのためにあつらえたような、究極のマッチングフックなのです。

そして当日のアプローチにおいて、最も釣果を分けたのは「放置」と「時間帯」の捉え方でした。

まずアクションですが、今回は水面でトゥイッチやピクピクと波紋を出すよりも、「投げて完全に放置する」のが圧倒的に釣れました。風が微風だったことも幸いし、水面にポツンと浮かべておくだけで、前述したテールの自発的微振動と空気層のナチュラルな明滅がバスを狂わせます。

コンディション抜群の1300gオーバー

そしてもう一つ、見落としがちな真相が「時合」です。「釣りは朝マズメが一番釣れる」と信じ込んでいる方が多いですが、榛名湖のようにボートの出船時間が7時というフィールドでは、本当の朝マズメ(夜明け直後の薄暗い時間帯)はとっくに過ぎ去っています。中途半端な朝の時間帯は、むしろ魚の活性が中途半端でミスバイトばかりが目立ちます。

この日も、朝のうちは出ても乗らないバイトが多発していましたが、太陽の光が雲を透かして水中に届き始めた10時〜11時を過ぎると、魚の活性が一気に跳ね上がりました。ワカサギのレンジが上がり、ウィードから飛び出してくるバスのバイトが一気に深くなったのです。

これは先日の「U-30ドリームトーナメント」の解説時にも強く感じたことですが、秋のワカサギレイクは朝イチに固執するよりも、日照によって水温が上がり、ベイトとバスの動きが活発になる昼前後のタイミングこそが最大のプライムタイムになり得るのです。

榛名湖の秋は11月下旬まで楽しめる

榛名湖のボート営業は、今年は11月22日頃まで続く予定とのことです。
水温が低下していくこれからの季節、他の湖が沈黙していく中でも、ワカサギが豊富に群れる榛名湖のバスは活発にエサを追い続けます。ベイトさえ動いていれば、バスは必ず動きます。

皆さんもタックルボックスの奥底に眠っているスーパーリビングフィッシュを引っ張り出し、がまかつV2ヤマメをセットして、秋の榛名湖の水面に浮かべてみてください。水面が突如として割れ、水中に消え去っていく本物の衝撃を体感できるはずです。

★タックルデータ★
ロッド:フェンウィック プロト 62SULJ
(※本来は表層専用であれば65SMLJ等がベストですが、今回はテストのため手持ちの62SULJを使用。テーパーデザインの恩恵で十分な遠投性能があり、PEを用いたライトリグ全般を高次元でこなせるバーサタイルな仕上がりです)
リール:スピニングリール 2500番クラス
ライン:バリバス スーパートラウトエリア インフィニティ PE 0.3号
(※ウィードに潜られてヒヤヒヤする場面があったため、潜らせない強引なやり取りを考慮するなら0.4号や0.6号のセレクトも視野に入ります)
リーダー:LDLフロロ1号
ルアー:ティムコ スーパーリビングフィッシュ3インチ
リグ:瀕死リグ
フック:がまかつ V2ヤマメ 10号